無料で肝炎ウィルス検査を受けてみた

2011-01-11を読んで、肝炎検査を受けてきた。

早死にする可能性を減らせるようなので受けることにした。多くの人がそうかもしれないが、子供の時から死ぬのが怖くてしょうがないのだ。たまに足元から自分の身体が冷たくなっていって死んでいく感覚に襲われて死ぬほどゾッとすることがある。

それに加えて昨年、子供ができたので子供が死ぬのも怖い。自分が死ぬより怖いかもしれない。もちろん自分が死ぬのも怖いのは変わらないので2重で怖い。肝炎検査を受けるだけで少し気が楽になるなら受けない手はない。

まず、QLifeというサイトで無料肝炎ウィルス検査を実施している医療機関を検索してみた。近所の病院が表示されたので、電話をかけた。

「無料肝炎ウィルス検査ですか?…ちょっとお待ち下さい……無料ではやってないです。40歳以上なら1000円で検査できますが…」

大阪府の「肝炎ウイルス対策の実施について」のページにも載っている病院なのに何故かできないという。仕方ないので府に電話してみると、

政令指定都市である大阪市堺市については、府ではなくて市の管轄です。」

と言われた。なんでこんなややこしいことになっているのだ。区の保健所に電話してみると、

「月に1回だけ無料で実施しているので、第1月曜の午前9:30から11:00の間に保健所へ来てください」

とのこと。私は自営業なので行けなくもないが、これでは「サラリーマンは来るな」と言っているのに等しいんじゃなかろうか。

行って採血してもらったのだが、結果は2週間後の月曜日、午前10:00〜11:00の間に取りに来いという。どうしても無理な場合は他の時間でも対応できるらしいが、いずれにしても市役所の窓口が開いている時間帯に来なければならない。不親切すぎる気がする。

検査結果は陰性(感染していない)だった。

結局、いろんなところに電話したり、府や市の制度設計や対応が悪いのではないかと考えたりしている間は死の恐怖を忘れることができたので、検査を受けて良かったと言える。今年3月までは無料で検査してくれる自治体が多いようだ。死が怖くてしょうがない方はどうぞ。

時代の流れに逆らって本棚を作ってみた(後編)

本棚と整理棚を作ってみた、の後編。前編はこちら

注文した板が届いたので廊下に並べてみた。

この板を、清く正しい本棚の作り方を参照しつつ組み立てていく。側板(縦板)にドリルで穴を開け、棚板(横板)に木工ボンドを塗り、ネジで締め上げ、背面にベニア板を打ち付け、塗装して完成、という流れになる。

作業台がないので格安サーバML115 G1を2台並べ、側板を乗せて穴を開けていくことにした。

いつも家具を組み立てる時に使っている小型の電動ドライバに100円ショップで買った木工用ドリルを取り付け、穴をあけていく。

次に、棚板を立てて並べ、側板との接着面に木工ボンドを塗り、側板を乗せてネジで締める。棚板を2枚固定するまでは倒れやすいので、部屋の角に棚板を立てかけて作業した。

「清く正しい本棚の作り方」には、ネジ止めの際に板がズレがないように最新の注意を払って棚板の位置を調整するよう書かれているのだが…

ネジを締めると1ミリほどずれていることも多かった。やり直すのも面倒なので気にしないことにする。

ここで問題発生。やはり小型の電動ドライバでは無理があったらしく、作業しているうちに締める力が落ちてネジが締まらなくなってしまった。アマゾンで充電式ドライバドリルを注文し、作業は翌日に持ち越し。

新しいドライバが翌日の昼に届いたので作業を再開。前のものに比べてずいぶんパワーがある。これは楽になったと思ってネジを締めていたら…

ネジが斜めに入って板を突き破ってしまった。さすがにこのままでは問題があるので、抜いてやり直し。

本棚の下段が完成し、上段を組み立てていたところでさらに問題発生。

なんと底板の長さが足りない…

前回書いた通り、底板はT字型にしたものを使う予定だった。底板の切り落とした部分に側板をはめ込む形になるので、当然ながら底板の横幅は他の棚板より側板2枚分の厚さだけ長くしなければならない。にもかかわらず、他の棚板と同じ幅の板の両端を切り落とすよう、木取り図に描いてしまっていたのだ。完成図を描きながら確認しておけば、防げたミスかもしれない。

幸い端材として棚板と同じ大きさの板が余っていたので、それを使うことにした。底板の片側は既にボンドとネジで側板に固定してあったのだが、ネジを抜いてもガッチリ貼りついていた。それを無理に剥がしたため、側板が少し割れてしまった。「清く正しい本棚の作り方」に、「本棚の全体強度とは、実はほとんどこの木工ボンドの『接着力』によってのみ得られる」と書かれているが、木工ボンドの接着力がこんなにも強いとは知らなかった。

他には大きな問題もなく、上段と下段が組み上がった。最後に、地震対策としてアジャスターボルトを上部に取り付けた。これは、暮らしなモノづくりの記事を参考にした。

最後に塗装だが、ニスを塗るのは面倒なのと、乳児がいるため刺激の少ないものがいいだろうということで、蜜ろうワックスを使うことにした。布ですり込むだけなので簡単だ。

完成したのがこちら。

本棚の大きさに対してアジャスターボルトが小さく、少し不安だ。すき間無く本を並べた本棚は倒れにくいらしいが、大地震が来ると危ない気がする。転倒対策については、後日改めて考えたい。

本棚と同様に、書類棚も2つ作った。

一番上の段には、2001年ごろにSOTECが投げ売りして話題になったVH7PCを入れてある。たまたまぴったりの大きさだったのだ。

なお、木取りの都合上どうしても側板に適した長さ(955ミリ)の板が取れなかったため、905ミリの板に50ミリの端材を木工ボンドで継ぎ足して使っている。

本棚を作るというと大変そうだが、やってみると意外と簡単で面白い。作成してから2ヶ月以上経つが、現在のところ便利に使っている。電子書籍が一般的になってくれば本棚の必要度は下がっていくだろうから、あえて自作するならば今のうちかもしれない。

時代の流れに逆らって本棚を作ってみた(前編)

本棚と書類棚を作ったので、その顛末を紹介する。

1年あまり前、Ubuntu Weekly Recipe第100回記事に「一度読んだ本は裁断してPDF化している」と書いたのだが、ヘルニアで坐骨神経痛になってからは作業を中断していた。それでも本は買い続けていたので、置き場に困るようになってしまった。

ヘルニアも治ってきたことだしPDF化作業を再開すればいいのだが、以前から未読の本が増えていく傾向でもあるし、実家の倉庫に入れっぱなしの漫画なども部屋に並べたいので、本棚を置くことにした。これまではなぜか本棚を置く気にならず、机の上や整理棚、枕の横などに平積みしていたのだ。

本棚について調べたところ、本1冊が収まる程度の薄いものがいいようだ。奥行きの深い本棚だと本の前に別の本を並べてしまって背表紙が見えなくなり、探すのが面倒になるらしい。だが置きたい場所にちょうどいい幅と高さで、手頃な値段のものはなかなか見つからない。

「じゃあ自作できないか?」と考えて検索しているうちに出会ったのが、清く正しい本棚の作り方というサイトだ。書籍化もされている。

この本、本棚の作り方が丁寧に解説されているだけでなく、著者の本棚作りに対するこだわりが全編に渡って感じられる文章となっており、読み物として非常に面白い。読んでいるうちに、自分も本棚を作ってみたくなる。

だが、本棚の自作はそれなりに大変そうだ。自作しようかどうしようか迷っていたとき、パイン材の本棚をサイズオーダーできる本棚屋という業者があることを知った。自作より高くつくが、板から作るより楽だし失敗する心配もない。

自作するかオーダーするか少し迷ったが、やったことのない日曜大工を経験しておくのも良いだろうと考え、板を買って作ってみることにした。

まずは板の種類だ。「清く正しい本棚の作り方」では合板を使いペンキを塗って仕上げているが、私としては本棚屋の製品のように木目のある板で本棚を作りたい。そこでパイン集成材を使うことにした。

本棚の幅は置く場所にあわせて900ミリ程度が良い。だが、「清く正しい…」で紹介されている本棚の幅は約600ミリ。900ミリ幅で作って大丈夫だろうか。棚板がたわみそうなら、中央に側板を入れるなどの対策が必要になる。

900ミリ程度の幅で本棚を作っている人はいないか探したところ、壁一面の本棚の作り方というサイトを見つけた。パイン集成材を用いて幅866ミリの本棚を4つ制作した背景から作業内容まで、詳しく解説されている。このサイトの記述によると、どうやらパイン集成材で幅900ミリ程度の幅の本棚を作っても大きくたわむことはなさそうだ。

高さは、床から天井までが2450ミリなので2400ミリとすることにした。下段と上段に分けて作り、完成後に積み重ねることになる。

おおまかな大きさが決まったので、入れる本の大きさと数にあわせて棚板の位置と奥行きを検討していく。最も数が多いのはB6サイズの単行本なので、それに合わせたスペースを多く作りたい。高さ200ミリ、奥行き150ミリ程度あれば、大きめの単行本も入るようだ。その他、雑誌などを入れるのにA4サイズが入る高さ310ミリ、奥行き220ミリ程度のスペースもあると便利だろう。いろいろ検討した結果、幅は916ミリ(棚板880ミリ+側板18ミリ×2)、上部の奥行き150ミリ、下部の奥行き220ミリ、高さおよび棚板の位置は以下の設計で制作することにした(18ミリの行は棚板)。

高さ(ミリ) 主な用途
18
9段目 200 文庫本・新書
18
8段目 200 文庫本・新書
18
7段目 226 単行本
18
6段目 226 単行本
18
5段目 226 単行本
18
4段目 226 単行本
18
3段目 302 雑誌
18
上部合計 1750
18
2段目 226 DVD・CD
18
1段目 320 雑誌・大型本
18
50 ハカマ
下部合計 650
全体合計 2400

なお、上部の底板は「壁一面の本棚の作り方」を真似て凸型とし、下部の天板の奥行き(220ミリ)とあわせることにした。奥行きが150ミリだと、雑誌を並べた時に背表紙が宙に浮いた感じになってしまうからだ。

本棚に加え、同種の板で書類棚を2つ作って窓際に並べることにした。以前から書類を整理するための棚が必要だと思っていたので、本棚を設計しているうちに作りたくなってきたのだ。幅は本棚と同様、奥行きは250ミリ、高さや棚板は以下の通り。

高さ(ミリ) 主な用途
18
3段目 153 CDなど
18
2段目 340 書類(マガジンファイル)
18
1段目 340 書類(マガジンファイル)
18
50 ハカマ
合計 955

出窓のカウンターとあわせて、高さを955ミリとした。奥行きを250ミリ、1段目と2段目の高さを340ミリとしたのは、A4サイズ用のマガジンファイルを無理なく収納するためだ。

以上の設計は、木取り図を描きながら端材が少なくなるよう調整した結果だ。木取り図とは、購入する板をどのようにカットするかを描いた以下のような図だ。

板を自分でまっすぐに切るのは難しいので、この図を業者に渡してカットしてもらう。私が注文したのは、楽天市場の北零Woodだ。メールで木取り図を送れば、木材代金にカット代金を加えた価格を見積もってくれる。

なお「清く正しい本棚の作り方」では、木取り図だけでなく、簡単なスケッチ程度の全体図を書いて検討することが推奨されている。しかしながら仰向けのまま手書きで図を書くのは難しいため、脳内で想像しつつ木取り図をPCで書いてしまった。それで問題は出ないだろうと思っていたのだが…やはり組み立てる段階になって間違いに気づくことになった。

次回は、本棚と書類棚を組み立てて設置するまでを紹介する。

複数のHDMI機器と複数のモニターを仰向けのまま切り替える

前回の記事では、メタルラックに3枚のモニターを吊るしたことを紹介した。以下が、その下に仰向けになった姿だ。

普段、中央のモニターにUbuntu PC、左にWindows PC、右はMac BookやPS3Apple TVなどを接続している。Ubuntu PCをメインで使っている場合はこれで問題ないのだが、Ubuntu PC以外を中央のモニターに接続したいこともある。Windows PCやMac Bookを長時間使う場合や、PS3でゲームをしたりテレビを見たりする場合に、左や右を向き続けると疲れるからだ。

最初は各モニターの裏に手をまわしてHDMIケーブルを差し替えていたが、寝転んだままでは裏がよく見えず差すまでに時間がかかる。そのため、結局は身体を持ち上げて裏をのぞき込むことが多かった。

仰向け生活に慣れた身にはこれがあまりに面倒なので、寝転んだまま機器とモニターを切り替える方法を考えた。

まず、適当な切替器を探してみた。どうやらマトリクススイッチャーというもので可能なようだ。だが、3出力以上に対応したものだと10万円ほどしてしまう。

結局、各機器と各モニターに指したHDMIケーブルをすぐ手の届く場所にまとめ、中継用のアダプタを使って差し替えるという方法に落ち着いた。

各ケーブルには接続先を書いたテプラを貼ってある。見た目は悪いが、非常に快適になった。

夢の仰向けUbuntu生活・その後

昨年8月、gihyo.jpUbuntu Weekly Recipeという連載で、「夏休み特別企画・夢の仰向けUbuntu生活」という記事を書いた。内容は、腰椎のヘルニアをきっかけに以下のような姿でPCを操作でするようになった、というもの。

その後さらに改良を加え、現在は3枚のモニターの下に仰向けになっている。さすがにUbuntu Weekly Recipeでこんなネタを何回もやるわけにはいかないので、新しく始めるこのブログで現状を紹介する。

モニターの配置

3枚のモニターを吊り下げるにあたり、以下のように頭を取り囲む形で配置するのが良いと考えた。

だが、最初の写真で使っている布団干しでは、3枚のディスプレイを吊るすのに幅が少し足りない。そこで、まずは布団干しの代わりとなる「モニター吊り台」を選ぶことにした。

布団干しをメタルラックに変更

当初「吊り下げたモニターを他の部屋にも移動できたほうが便利だろう」と考えて「布団干しにモニターを吊る」という形をとったものの、使い始めてみると移動させることはなかった。そこで、大きめのメタルラックを設置して下部にモニターを吊り下げることに決めた。動かす必要がないなら、頭上(=モニターの裏側から天井まで)の空間を収納スペースとして活用できるラックのほうが良いと考えたからだ。各社のメタルラックを比較した結果、以下のものを購入した。

//atq.ck.valuecommerce.com/servlet/atq/referral?sid=2219441&pid=877212733&vcptn=shpg%2Fp%2FYj6r8gfR_NoCMWVZLg--&vc_url=http%3A%2F%2Fstore.shopping.yahoo.co.jp%2Firisplaza%2Fk539810.html" target="_blank" >幅150cmのメタルラック(アイリスオーヤマ:モニター3枚を吊るすため、幅が一番広いものを選択。
//atq.ck.valuecommerce.com/servlet/atq/referral?sid=2219441&pid=877212733&vcptn=shpg%2Fp%2FYj6r8gfR_NoCMWVZLg--&vc_url=http%3A%2F%2Fstore.shopping.yahoo.co.jp%2Firisplaza%2Fk539973.html" target="_blank" >メタルラック用の突っ張りポール2セット(4本):メタルラックが倒れて圧死する確率を下げるために購入。
//atq.ck.valuecommerce.com/servlet/atq/referral?sid=2219441&pid=877212733&vcptn=shpg%2Fp%2FYj6r8gfR_NoCMWVZLg--&vc_url=http%3A%2F%2Fstore.shopping.yahoo.co.jp%2Firisplaza%2Fk546881.html" target="_blank" >メタルラック用のサイドバー(150cm):一番下の棚板が床から遠くなるため、これでラック下部を補強する。

モニターの吊り下げ

モニターを吊り下げる方法は、いろいろ検討した結果、以下の形に落ち着いた。

中央のモニターについては、ラックの棚板と平行に吊るすだけなので簡単だった。以前に買ったものの使っていなかった壁面取り付け用のモニタアームの金具と、M4×50(太さ4mm、長さ50mm)のネジを使って、以下の写真のように吊り下げた。

左右のモニターは、中央のモニターに高さを合わせる必要がある上、角度をつけないといけない。この条件が厳しく、適当なモニタアームは見つからなかった。そこで、上海問屋のポール直結型アーム*1を購入し、付属のボルトの代わりに長ねじ(太さ8mm)とナットを使って長さを調節することにした。

そして完成したのがこちら。

モニター部分のアップ。

次回は、この3枚のモニターと複数台の機器の接続を切り替える方法を書く予定。

*1:商品名に「アーム」とあるのに「アーム無しモデル」がある。物を見れば意味は分かるが…